まぼろし探偵の歌

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1959年4月1日から1960年3月27日(56回)
制作局:KRT(現:TBS)
制作:折込広告社
監督:近藤竜太郎、星公達郎
原作:桑田次郎
脚本:柳川創造、山本流行、木村学司、梅田慶公、米津善吉、小川繁、吉井実、百瀬千又、上野一雄
出演者:加藤弘、天草四郎、鈴木四郎、花咲一平、吉永小百合、藤田弓子、利根はる恵他
主題歌: 作詞:照井範夫補作:山本流行作曲:渡辺浦人 歌:上高田少年合唱団
提供:前期は日本水産、後期はエースコックのそれぞれ一社提供


 『まぼろし探偵』は、1957年3月号~1961年12月号『少年画報』に連載され一度終了したが、1964年11月号~1965年4月号まで再連載の桑田次郎(エイトマンの原作者)の漫画作品をベースに原作としてラジオドラマ、特撮テレビ番組、映画作品となっている。

 不思議である。今回この一連のブログのコラムまがいの文章を書くにあたって考え込んでしまった。

 原作がありテレビドラマ化され映画化されるケースが、「テレビ」という媒体が出てきてから当たり前になっているのである。しかも50年以上も同じパターンを繰り返している。

 何かが違うと思って、気がついた。

 時間である。

 一般大衆に認知されないうちに、子供は知ってても大人は知らない、それでも商品化してしまう。それが、この頃から既に始まっている。

 今もこの現象はリアルタイムで起こっている。

 この頃はまだ、大人と子供が同じ時間帯で同じテレビを見る余裕があった。共通の話題にもなった。映画化されれば親子いっしょに見にいっても違和感はなかった。

 今は違う。すべてが早すぎる。

 子供しか知らない、分からないものが多すぎる。

 価値観の多様化などという言い訳では、理解できない。

 価値が決まる前に、誰かが勝手に一般化してる、押し付けている。

 ほんとうに価値のある、後世に残る作品が出難い時代である。

 改めて、この作品のまだ中学1年生くらいの吉永小百合、藤田弓子の純粋な姿に見入ってしまう。

 はたして我々は、彼女たちは、今のこの時代に満足しているか。